『コンビニ人間』を読んでみた
!!ご注意!!ネタバレほんのちょっとあり
ともの親友の一人がオススメしてくれた本を読んでみた。
自分もちょっとは気になっていた本。
最終的には自らの実存を認識できたコンビニ店員を描いた作品。
実存を認識できる世界(=コンビニ店員)を信じることは正しいことなのだろうが、
それを貫き通すことが困難な社会であることもまた事実。そんな社会でよいのか。
「え、その歳で独身&コンビニ店員っておかしいでしょ」
とはいうものの実存を認識できる世界がコンビニしかない場合はどうすればいいのか。
だいたいこんなことが書いてあったように捉えました。
現実的には皆どこかでなんとか折り合いをつけて実存を認識している
(あるいはそのつもりになっている)ということで社会に参加しているのでしょう。
そんな折り合いを常につけながら過ごしていると人はストレスを常に抱え、
疲れてしまうのは必定。休息は非常に重要なのですね。
《気になった個所引用》
「そのとき、私は、初めて、世界の部品になることができたのだった。」
自分も似たような感覚を味わったことがあります。
小学校卒業までは何か優れているわけでもなく、人見知りが強く
いじめられながら過ごしたのであまり記憶も鮮明ではありません。
(昨今ほど質の悪いいじめではありませんでしたが)
でも中学校から始めたバスケットボールが意外と人並みにできて、
まわりから「すごいね、上手だね」「もうユニフォームもらったの?」
など褒められるようになりました。そして同級生の中では一番最初に
先輩達が出ている試合に出してもらい、シュートを1本決めました。
そのときに感じた感覚です。
「こうして伝染し合いながら、私たちは人間であることを保ち続けているのだと思う。」
口調などがまわりの人に似てくるというのはよくあることでしょう。
共感を覚えました。
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その他コンビニの仕事についての記述を読むとイメージがよくわき、
コンビニの仕事も面白そうだなと感じさせるような素晴らしい文章が書かれていました。
ちょっと分量が少なく、終わり方が個人的には物足りなかったですが、
まあ読んでみる価値はあるなという感じでした。